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The Well ラスト・サバイバーズ

アメリカ映画 (2014)

マックス・チャールズ(Max Charles)が、異常気象で砂漠と化したオレゴン州で生き延びている少年の役を演じるサバイサル・アクション映画。彼の出番は4回のみ。だから、これが子役の映画と思って観る人は絶対にいない。そもそも、存在が薄すぎて、目に入らないかも。

映画の冒頭、「オレゴン州、数年後、最後の降雨後数年」と説明が入るが、2番目の「数年後」は全くナンセンス〔半世紀後というのなら分かるが〕で、その他の説明も一切ないので、なぜオレゴン州、あるいは、全世界がこのような惨状にあるのか、全く理解できない。舞台も砂漠化した狭いエリアに終始し、数名の主役と10名ほどの脇役だけしか登場しないので、典型的な低予算のB級映画。主演は、ヘイリー・ル・リチャードソンという撮影時18歳のティーン女性が演じるケンダル。彼女は、腎臓病の悪化した恋人のディーンと住み、時々、貴重な水を、近くに1人で住んでいる男の子アルビーにも分けてやっている。また、幼なじみのガブリエルの一家とも交流がある。しかし、油田の持ち主でもあるカーソンの一族が、自分たちの飲み水である地下水の枯渇を怖れ、井戸の持ち主を次から次へと襲って殺していく。このような苛酷な状況の中で、ケンダルやアルビーはどう生き延びていくのか? 確かに、この映画の最大の欠点は、95分という短さにもかかわらず、終始冗長さを感じさせること。迫力のあるのは、ラストの5分だけだ。

マックス・チャールズは、役柄上、薄汚れた姿で、可愛いとは ほど遠い。彼をわざわざ取り上げたのは、『アメイジング・スパイダーマン』との絡みがあったため。


あらすじ

冒頭に紹介されるケンダルとディーンの家(1枚目の写真)。中には誰もいないと思わせるよう、1階部分と屋根裏の半分は壊れたまま放置されている。2人が住んでいるのは、屋根裏の中の隠し部屋。水は、ポンプで深層地下水を汲み上げているが、それもちょろちょろとしか出て来ない(2枚目の写真)。写真に映っているガラス瓶に1日1杯がいいところ。だから、腎臓病のディーンの症状は日々悪化している。しかし、両者の関係が説明されていないので、観ていてもディーンの陰が実に薄い。何の役に立つかは、最後の方でやっと判明する。それまでは、イライラして観させられることになる。
  
  

ケンダルは、近くの家に住み着いているアルビーに、水を持っていってやる(1枚目の写真)。アルビーの「家」の井戸が枯れてしまっているからだ。しかし、体重20キロの子供の1日最低必要水分は1リットルなので、写真の量(100cc以下)ではとても足りない。2枚目の写真の左端がアルビーの隠れている家。右端の大きな建物の中にはセスナ機が格納されている。ディストリビューターキャップがないのでセスナは飛べないが、ケンダルは、放置された車を見つける度にボンネットを開け、ディストリビューターキャップがセスナに転用できないかをチェックしている。転用できるキャップが見つかり次第、ディーンとアルビーを連れてここから逃げ出すつもりなのだ。しかし、オレゴン州がこんな悲惨な状態で放置されている現状を考えると、逃げて行った先で幸せな生活を送れるとはとても思えない。
  
  

次に水を持っていった時、ケンダルは、アルビーが出て来るまで、戸口にもたれて一人で話している。「セスナがあるわ。私たちのよ。あなたも、ちゃんと一緒に連れて行くから」。すると、アルビーがようやく顔を見せる。「ここは いい場所ね。認めるわ。でも、ここには水がない」(1枚目の写真)。「だから、安全なんだ」。「一人でいるには小さすぎるわ」。「一人の方が安全だ」。「いいわ。あなたと議論する気はない。元気そうだから」。さらに話し続けて ふと見ると、アルビーの姿がない。水のお礼も言わないし、実に可愛げのない子供だ。その後、ケンダルがガブリエルの家を訪れた時、一家は埋葬の最中だった。死んだ男性の墓に、なぜか日本刀を埋める。この日本刀が、後で大活躍する。ガブリエルの母が、ケンダルに「私たちはもう終わり、井戸が枯れたの」と言い、宣伝ビラを見て助けを求めたと打ち明ける。このビラは、悪の権化のカーソンの一族があちこちに貼っているもので、一報を受けた場所に行っては、役立たない人間を殺し、使えそうな者だけを手下にすることをくり返していた。そこに、カーソンの一行が現れ、たまたま家の中にいて身を潜めたケンダルの目の前で、大人を全員射殺し、若いガブリエルだけを徴発して行った。その後、ケンダルは、アルビーの隠れ家に行き、悄然として地面に座り込む。何も言わずに出てきたアルビーも横に座る(2枚目の写真)。会話はなく、アングルもこの角度だけ。アルビーの顔すら映らない。
  
  

その後、ケンダルの家にもカーソンの一行が現れるが、中に隠れていることを悟られずに済む。その後、アルビーの隠れ家に近付いた時、カーソンの手下に襲われるが、武器として持っていた小さな薪割り斧で反撃し、最後はライフルで射殺する。アルビーのことが心配になり、大きな声で何度も呼びかける。すると、車の陰で横になって単眼鏡で様子を探っていたアルビーが、小さな声で呼び止める。「大丈夫?」と言って一緒にうつ伏せになるケンダル。「隠れて 奴らを見張ってるんだ。僕がミスるのを待ってるから」(1枚目の写真)。そして、「僕は、ミスらない」と付け加える。「暗くなるまで待って、出てって。ここじゃ、僕を助けられない」。アルビーが誰も来ないと確信したので、2人は、シャッターの前で座る(2枚目の写真)。ケンダル:「どこにいけば、見つかるか 教えてくれる?」。「あんたが来ると、後で奴らがここに探しに来る。だから、来て欲しくない」。「でも、ここから 3人で出て行くのよ。約束する」。「約束なんて 意味がない」(3枚目の写真)。冷たい言葉だ。
  
  
  

その後、ケンダルは、セスナに合うディストリビューターキャップをとうとう見つける。しかし、情けをかけて水を分けてやった3人組に襲われて縛られるが、病をおして出てきたディーンが3人を射殺する。そこに運悪く、銃声を聞きつけたカーソンの一行が押しかける。ディーンは自分一人で住んでいると嘘をつき、ケンダルを守って射殺される。ケンダルは、復讐のため、ガブリエルの家の墓地に行って日本刀を掘り出す。そして、敵の3人を殺した後、セスナで逃げようとするが、探しに行ってもアルビーがいない。そこで、カーソンの本拠地の油田まで見に行くと、柵の中にカーソンの娘と一緒にいるアルビーを発見(1枚目の写真)。そこで、フェンスの下に油が貯まった場所から中に潜入する。原油のお陰で全身真っ黒になってしまう〔忍者のようだ〕。「アルビー、隠れて」と声をかけ(2枚目の写真)、ケンダルは、日本刀とライフルを駆使して 次から次へと敵を殺していく(3枚目の写真)。最後に残ったカーソンと、その娘。まず、カーソンを日本刀で殺す。嬉しそうなアルビー(4枚目の写真)。ケンダルは、最後に残った娘と激しい戦いを演じ〔この映画、最近の流行に合わせて、女性の方が強い〕、最後に日本刀で娘の体を地面に串刺しにする。
  
  
  
  

すべてが終った後、アルビーを連れて格納庫に向かい(1枚目の写真)、セスナに乗って2人で新天地に向かおうとする(2枚目の写真)。映画は、アルビーを機に乗せ、計器をONにさせ、ケンダルが手でプロペラを回そうとするところで終る。
  
  

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